
耐久性
+++ライトトーキングマシン / ep.21
暦の上では秋ですか。
まだまだ暑い日が続いてますので夏という事にしときます。
夏が終わってほしく無いだけですがw
皆さん夏は満喫されましたか?
山に海に...♪
個人的にはまだまだ遊び足りない気がしております。
夏休みは〜 やっぱり〜 短い〜...🎵
っていう歌ありましたよね?
毎年短いですw
そんな夏の終わりに山・海・街にと、たくさん使ってもらいボロボロになった"corny" が私達の元に戻ってきました。
販売当初にご購入頂いたもので修理のご依頼です。
DCFver.のcorny。
明らかなダメージ箇所は上部メインファスナーと前後パネルの縫合部分。
縫い糸が切れたようなところは見当たらずDCF自体が裂け、中のダイニーマ繊維が剥き出しになり今にもバラバラになってしまいそうな状態。
ファスナー開閉の度に負荷がかかる為かと思われます。
その他破れは無いもののDCF表面の劣化も。
DCF(ダイニーマ・コンポジット・ファブリック)は、ダイニーマをUV樹脂でラミネートした"フィルム状"の生地(ファブリック)です。
一般的な生地は針を通したとしても穴は目立たなくなりますがこのような生地は一度針を通すと穴が空いてしまいます。
網戸に針を刺すのと、アルミホイルに針を刺すのでは穴の開き方は違いますよね?
例え下手?w
高い耐久性を持つ生地でも縫製次第ではその耐久性を下げてしまう事になってしまいます。
どのように耐久性を持たせるか...
生地の能力・特性をどう活かすか...
生地を選び、物作りをしていく上で決して無視できないところです。
見た目や機能性などももちろん大事ですが、負荷を意識し強度を持たせるという事も私達は重要視しています。
ほとんどのラインナップが小さな袋ではありますが試作段階での強度等の確認、時には2人で引っ張りあってみたりと本当にそれがベストな縫製になっているか確認作業は欠かせません。
少し話が逸れましたが、生地と縫いのバランスをどれだけ考慮したとしても生地の劣化や限界もあるという事を改めて理解する事が出来ました。
今回の件については他の要因もあるかと思いますが色んな生地が存在する以上これからもそれぞれの特徴に合わせた縫製と強度とのバランス調整はまだまだ課題になっていきそうです。
このような事例を紹介するというのは自分達にとってベストな事か分かりませんが、まずはボロボロになるまでたくさん使ってもらえた事を嬉しく思います。
修理してまでも使い続けたいと思って頂ける事が本当にありがたい事です。
その上でこういった事例を包み隠さず正直に皆さんにご報告する事で私達にとってもそれを教訓とし、また技術向上に繋げていくべきだと思います。
今回のcornyに関しましては色んな事を考慮した上で部分的な修繕では商品をベストな状態で使っていただけないという判断から修繕不可能という答えになりました。
いつもLSMのアイテムをご愛用いただきありがとうございます。
今後も引き続き修理等引き受けさせていただきますが状態によっては不可能な場合もあるという事をどうかご理解いただけると幸いです。
薄い生地との闘いはまだまだ続く...w
それでは皆さん良い週末を。良い山行を。
2023/09/02 sat.
+++ライトソーイングマシン / オオツカ ミオ